最近、海外への投資や移住が盛んになっており、その一環として外国資産への投資や海外不動産の取得が注目されています。
今回は、海外不動産を所有することが相続税の節税対策になるかどうかについて細かく考えていきましょう。
参考ページ：不動産投資｜海外不動産を購入すると節税になる？ならない？
まず、海外資産について相続税が課されるかどうかは、被相続人がどこの国に住んでいるかと相続人の住所・居住年数が影響します。
被相続人が日本に住所を有している場合、被相続人が亡くなった際に相続が開始され、海外にある資産も相続財産として認められます。
この場合、被相続人が海外に住所を持っているかどうかに関わらず、常に日本で相続税がかかります。
次に、被相続人が海外に住所を有する場合を考えます。
こちらでは、更に細かく状況を分けて考える必要があります。
1つ目は、相続人が日本国内に住所を有する場合または海外に住んでいるが期間が5年以下の場合です。
この場合も、常に日本で相続税がかかり、相続財産に含まれる海外不動産も課税対象となります。
2つ目は、相続人が海外に住所を有し、かつ居住期間が5年以上の場合です。
この場合、被相続人が海外に住んでいる期間が5年以下の場合と同様に、相続税は日本で課されます。
相続人の住所や居住年数に関わらず、海外不動産は相続財産の一部として評価されます。
したがって、相続人の立場から考えると、日本国籍を持つ相続人が相続税負担を軽減するために海外不動産を所有することの有効性を検討することが重要です。
相続税対策として海外不動産を検討する際には、自身の居住状況や相続人の住所・居住年数などを考慮し、税務の専門家と相談することをおすすめします。